愛を読むひと

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「愛を読むひと」という映画を観てきました、原題はシンプルに「THE READER」です、普通に訳せば原作と同じように「朗読者」ということになるのでしょうけれど、日本語にしないで英語のタイトルのままのほうが、いろいろ深い意味を持ててよいと思いました。 主演のケイト・ウィンスレットさんはこの映画で、第81回アカデミー賞で主演女優賞を受賞しています。
あらすじは、
1958年のドイツ、15歳のマイケルは21歳も年上のハンナ(ケイト・ウィンスレット)と恋に落ち、やがて、ハンナはマイケルに本の朗読を頼むようになり、愛を深めていった。ある日、彼女は突然マイケルの前から姿を消し、数年後、法学専攻の大学生になったマイケル(デヴィッド・クロス)は、無期懲役の判決を受けるハンナと法廷で再会する。(シネマトゥデイ)
『愛を読むひと』公式サイト
http://www.aiyomu.com/
いつものことですが、ベストセラーになったらしい原作は読んでいません、映画の情報も予告編しかしらなかったので、15歳の男の子と36歳の女性との恋愛なお話し、下世話な言い方をすれば、性の目覚めを描くイタリアの青春映画みたいなものだと思っていたけれど、観た人の感想はそんなものではなかったので、苦手な映画と思いつつ、もしかしたらと観に行ったのでした。 観てよかったです、ひさびさに映画館で泣きました。
以下でネタばれしてますご注意ください。
男の子にすごく共感していました。 それも、初体験から肉体的な気持ちよさにはまっていくところは、当時の自分の気持ちと、逆にハンナの立場で見ている気持ちの両方で。 そして、粘膜的な関係が精神的な関係、つまり恋愛に変わっていく中での、彼女を美しいと思ったり、家庭や友達よりも彼女のことを想うことや、二人でどこかに行きたいと思う気持ちや、彼女の気持ちがわからずに不安になったり怒ったりするところや、僕は君を愛している、君は? なんて訊くところは、歳をとっているのに子供っぽい、どうしようもない奴としての自分と重ねてしまうのでした。
そして映画では、本を朗読するということが、年上の彼女に対して唯一してあげられることであり、それがさらに絆を深めることになるツールとしての位置づけだと思っていました。 でも、それだけではなかったんですね。
それだけなら、それこそありがちな映画なのに、マイケルが裁判でハンナに再会してからの展開はもっともっと重いテーマを扱っていて、それまでのことも細かい伏線になっていて、その展開をしらなかったこともあってとても引き込まれていきました。
でも、彼にはもう15歳の純粋さ素直さはなく、彼女との関係を思い出し、法律を学ぶ学生としての彼女を見るいろいろな思いが彼を苦悩させたりします。 他の学生と関係を持ったり、会いに行こうと思ったり、その迷いや苦悩が、裁判で扱われている戦争とは命とはという苦悩とシンクロしているのですね、ハンナの台詞も同様に、正義ってなんですか? と問いかけます。
裁判の中で、ハンナは自分のある秘密を守るために嘘をつき有罪とされてしまいます。 そこまでして守る秘密なのかということは、その前の彼に対する態度や、仕事までもやめてしまう、何より彼とも別れてしまう、という経緯で理解できなくはないです。 彼も、昔なら自分の思いをぶつけるだけだったろうけれど、相手のことを思い、その判断に従うのですね、もしかしたら自分のことも思ったのかもしれないけれど。
映画では物語のあいだに、現在の彼の状況や思いを挟み込んで、さらには結婚をして娘もいるという立場も加えて、ハンナが収監されたあとも、やはり苦悩しながらも、それでもハンナに対して最後まで献身的に尽くそうとするのがまたせつないです。 距離は離れていても朗読ということでつながっていく、逆に彼女も変わっていく。
そこから、何年かぶりに彼女に会うところから(そこでも彼女が KID と呼びかけるのがまた泣ける)映画の最後までは、あー、そこでなぜ、というシーンが続くのは、やはり時間というものや立場や状況の違いと、大人になって素直になれない、なにより愛だけでは補えない、ということなのでしょう。
彼女は最後にもう一度、裁判のときと同じように、プライドを守ろうとしたのかもしれません。
学生の彼も大人になった彼を演じる役者さんも素晴らしく、どちらも悲しみに泣くところがぐっときます。 もちろん、ケイト・ウィンスレットさんの素晴らしさは言うまでもありません。 私は思い入れが強すぎて苦しかったけれど、とってもよい感動的な映画でした。
年下のあなたに教えられたのはアレだけじゃなくコレだけでもなく (天国ななお)
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